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岩本真一著『ミシンと衣服の経済史 :地球規模経済と家内生産 』単行本 –思文閣出版 2014/7/10

 

 

19世紀後半から20世紀半ばにかけて、シンガー社のミシンは世界を席巻し、東アジアはその最終市場であった。本書はこの状況下での同社の日本進出を中心に、近代日本におけるミシンの普及と衣服産業の展開をたどる。その上で、工場内生産のみならず家内生産にも視野を広げ、断片的にしか知られていない近代日本衣服産業の概要と特徴を明らかにする。

 

 

 

【目次】

序章 問題の所在と本書の課題

問題の所在―消費財と生産財―/本書の課題と構成

 

第1部 ミシンの特質と普及過程

第1章 繊維機械としてのミシン

繊維機械の比較(1)―開発時期と機械化内容―/繊維機械の比較(2)―工場動力化率―/ミシンの特徴

第2章 ミシン多様化の意味

米国ミシン会社とイノベーション/シンガー社製品の多様性/多様化と競争基盤

第3章 ミシンの東アジアへの普及

シンガー社の対東アジア戦略/東アジアにおけるミシン普及

第4章 近代女性の共時性と衣服商品化の波

服を作る女性―裁縫教育と良妻賢母像―/服を買う女性―都市遊歩とモダン・ガール像―/二重の洋服化―洋服の普及と伝統服の改良―/衣服商品化の時間差

第5章 日本のミシン輸入動向と普及経路

ミシン台数の推計とミシン導入の略史/1883~1894年(第1期):ミシンの初出/1895~1913年(第2期):足踏式ミシンの普及/1914~1937年(第3期):ミシン普及経路の多様化/1937~1945年(第4期):輸入の途絶と国産の台頭/小括―ミシンと衣服産業―

 

第2部 衣服産業の形態と展開過程

第1章 衣服産業の類型―規模と生産体制―

衣料品部門産業化の概要と概念/全体動向―出荷額の推移と材料生地の傾向―/規模別4類型の基準/規模類型と諸工場/規模の固定化

第2章 衣服産業の地域分布

統計類の比較と『工業統計表』の概要/府県数からみた分布類型/小括

第3章 中規模工場の経営動向―藤本仕立店の生産体制と多品種性―

藤本仕立店の概要/生産体制―自家生産と委託生産―/取扱製品―多品種性と主力品の推移― /小括―安定営業の要因に関して― 

第4章 製帽業の構造と展開―その多様性と工程間分業―

製帽業の位置/生産動向/製帽業の構造/品種別特徴と生産工程/小括

終章 ミシンと衣服の経済史―生産体制論と現代―

ミシンと衣服の経済史/現代―裁縫工場の外国移転―/ミシンと衣服産業の先駆性