安城寿子著『1964東京五輪ユニフォームの謎 消された歴史と太陽の赤』 (光文社新書) 新書 – 2019/4/16
【内容紹介】
お揃いの真っ赤なブレザーと白のスラックスで行進をする日本選手団の姿は、一九六四年の東京オリンピックの象徴的場面の一つとして、世代を超え、今でも、広く知られている。 この「日の丸カラー」の開会式用ユニフォームは誰がどのような思いを込めてデザインしたものだったろうか? 本書では、書き変えられ、忘れ去られてきたこのユニフォーム誕生の歴史を豊富な史料と取材に基づいて紐解いてゆく。さらに、日本の開会式用ユニフォームのその後の変遷にも光をあて、「日の丸カラー」の継承、迷走、回帰の詳細を多面的に掘り下げていく。二〇二〇年に迫った二回目の東京オリンピックを見据えながら。
【目次】
はじめに
第〇章 前史――戦前の開会式ユニフォーム
第一部 1964東京五輪の選手団公式服装
第一章 「日の丸カラー」の選手団公式服装が誕生するまで
第二章 俗説の検証(1)――「石津デザイン説」の妥当性
コラム 二〇一三年からのこと
第三章 俗説の検証(2)――「石津デザイン説」の拡散
第四章 対談(1) 歴史を明らかにするということ×角田奈歩(服飾史・商業史研究者)
第二部 「日の丸カラー」の継承、迷走、そして回帰
第五章 「ナショナルカラー」の開会式用ユニフォームの系譜
第六章 レインボーカラーのマントとは何だったのか?――シドニーオリンピックの開会式用ユニフォーム
第七章 デザイナーの個性は必要か?――高田賢三が手がけたアテネオリンピックの開会式用ユニフォーム
第八章 スポーツ用品メーカーによる開会式用ユニフォーム
第九章 「日の丸カラー」への回帰
第十章 対談(2) 開会式用ユニフォームのあり方を考える×蘆田裕史(歴史家)
あとがき
アメリカの服飾に限らず、多民族の服飾文化(ヨーロッパ諸国、アジア諸国の服飾文化)に関する研究発表や講演、書評会、西洋服飾史・民族衣装セミナー、ワークショップ(デザイン画、手芸、コスチューム・ジュエリー制作など)を行っています。服飾研究者養成の場であると同時に、高齢化社会の生涯学習の場として、服飾を通して、ファッションにご興味のおありの方々に、広く門戸を開いています。多世代・多出自コミュニケーションの場を提供しています。お気軽にお問合せ下さい。